【“以前書いた詩から 夏の終わり辺りのものを”】
2022年 08月 25日
何年もご無沙汰していたので開けられるかどうか心配でしたけれど、
無事温存されていました。
身の回りにも世の中にも色々あり過ぎるので
ここではちょっと一休み。
20世紀終わり頃からこれまでに書いた詩の中から
季節に沿ったものを三篇、抜き出しました。
「海」
雨のしずくが おちてくる
雲をはなれて おちてくる
海のおうちに さあ かえろう
かみなりいなずま 大あばれ
風もいっしょに やってきた
大波 高波 白い波
お日さまキラキラ 朝の浜
カニとさざ波 鬼ごっこ
つり船ポンポン歌ってる
「風の話」
長い長い暑さの間にも
南からの風は西風に代わっていた
和歌山の傾斜地では
柿が甘さを貯える
風そのものに音はあるのだろうか
地球の向こう側の音や声を 運ぶのか
それとも 散らしているのだろうか
ローマの大階段を上り下りする人たちの靴音を
リスボンの海辺に響く
アマリア・ロドリゲスのファドを
夜が更けて
どこかで板壁が
風の話を聴いている
「巡る季節」
連日の雷雨がおさまって
吹き抜ける朝の風
まつわりついていた湿気も消えている
夏は
帰ると言われて急に名残惜しくなる
にぎやかな客人なのだろうか
夏が逝く ともいう
すべてに
限りがあることを
油蝉から蜩に代わってゆくこのころに
思うのだろうか
秋の気配
読み散らしていた本を置いて
静かなジャズでも聴こうか
以上です。
詩を書くことについては、細く長くと願って、
現在も月に一篇は書いていますが、
正直なところ上達したとは言い難く、
「正午」の同人との合評を楽しみに書いている
というのが本音ですね。
ではまた
なるべく月一くらいには
来たいと思っています。
# by baachann | 2022-08-25 18:33 | 日々